和食は京都で食べる事が多い、と書きました。　　
私が好きなのは、板前割烹です。
ご主人が実際に板場に立ってやっているお店です。
その手のお店は、東京にも沢山あります。
実際有名店には、色々行きました。
どこも美味しいのですが、何かしっくりこないのです。
それは、食材だったり、組み立て方だったり、と様々なのですが。
これぞ、といった、私好みの処にあたらないのです。
それは、一つには、行ってないお店がまだまだあり、勉強不足だということもあります。
どうにか、「お気に入りを見つけたい。」
ここのところの願いにも似た、思いです。

本気で探してみようか、と思っていました。

今回たまたま、ここのお店で働いている方と、別の所で知り合いになりました。
ですからご主人が、「分けとく山」の一番弟子でいらした事以外、なんの知識も無く伺いました。
さてさて．．．。

▲ご主人の末富さんです。まず、とてもお若いのでびっくりしました。控えめな謙虚な方、とお見受けしました。カウンターの中で、黙々と作業をなさっておられます。「分とく山」で、１０年。野崎さんの片腕としてお店を支えていらしっしゃいました。独立するつもりもなく、ずっとそのまま、と考えておられたとか。勧めてくださった方がいらして、昨年９月、このお店を始められたそうです。変に力が入っていなくて、居心地のいいお店です。		▲まずは先付です。鯛のしらこ、花わさび、うに、そしてこのわた。これに加減酢がかかっています。私の舌はすっかり京都基準になっているようです。 加減酢は、飲めるような丁度いい感じですが、やはり京都と比べれば、多少お醤油を感じるでしょうか。花わさびのピリッと感が、全体をしめています。全員一致の意見は、修行されたお店よりずっといい（美味しい）、ということです。		▲次には、芝海老の小茶碗蒸しが出てきました。海老が沢山入った茶碗蒸し。そして、次がこれです。しらすと蕗の飯蒸し。駿河湾で揚がったしらすは初物です。これからが私の好きな生しらすが、いやっというほど食べられる嬉しい季節です。蕗は本当にいい香りです。もち米のもちもち感も、塩加減も、私には丁度よく、美味しくいただきました。
▲お椀はあいなめです。うぐいす菜・はなびら独活・わらび・実に具沢山です。ここで思ったのは、、お椀の大きさです。これだけの物なんですから、もっと立派な大きいのがいいのでは。吸地ももう少したっぷり張れるでしょう。もったいないかなぁ、と思いました。お椀は和食の華です。せっかくなのですから、盛り上げたいものです。		▲お造りですので、ここでお酒に変えました。山形県小嶋酒造の「洌（れつ）」です。私はとにかく冷酒が好きなので、美味しいお造りには、ビールでなくお酒。これ、私の常識です。３種が盛り合わせになっていました。		▲次は、焼き物です。海鱒の木の芽焼きです。今の時期の焼き物は、これが出ることが多いでしょうか。木の芽が香ります。そして写真のシンプルな筍の焚き合わせです。シンプルに若布と蕗との組み合わせ。逆に新鮮で良かったです。京都では、焼いたり、汁物が多くて、こういう煮物はお任せではあまり出てきません。（私が行く処がそうなのかなぁ）勿論、筍は京都塚原の物です。ここのは、色が白いことで、知られています。
▲これ、好きです。。揚げ物は、スライス鮑とたらの芽、そして私お薦めの行者にんにくです。６０℃で５時間蒸した鮑は柔らかく、衣をつけて揚げた事で、周りはカリッと仕上がっています。つけていただくソースは肝で作った物ですが、臭みを消す為にブランデーが加えてあります。他にも醤油・味醂・卵黄などが入っています。美味しかったのですが、肝の苦味が少しあったら、更によかったか、と思います。		▲ご飯は、グループごとに土鍋で炊かれます。今日は桜海老です。これ又駿河湾産でしょうか。釜あげの物はよくありますが、生はなかなか手に入りませんね。でもとにかく生は美味しいです。かき揚げなどにしても、風味が全然違います。売っているのを見つけたら、ぜひ買ってくださいね。上には、今の時期しかない花山椒が載り、見た目も綺麗ですし、香りがとてもいいです。連れはお替りをしておりました。		▲甘味は２種出てきました。緑色のシャーベットが運ばれてきたので、てっきり抹茶だと思いましたが、これがこれが．．．。なんと花わさびで作った物でした。多少ピリッと感もあり、珍しくもあり、美味しかったです。最後はこれ。蓮根餅です。京都「和久傳」の「西湖」が有名ですが、それとはかなり食感は違う物です。きんつばのように、表面を焼いてあり、もちもち感がすごい。甘い物をあまり好まない友人がこれは、大絶賛しておりました。私も好きです。 　全体通して、全員満足しました。これなら、又来たい、と思います。