新しいお店、私も皆様同様に、色々な物を参考にして捜しています。　
沢山の中から、ここぞ、と思った処に行く訳です。
今回もそうです。

「ここに行こう。」と決めたのは理由があります。
一つにはここが、昼は１１：３０からやっている事。
そしてもう一つは、ここのご主人が「柊屋」の出身だということです。　　
これが大きかったかもしれません。

「柊屋」―ここは、南座で公演がある時、祖父（常磐津の太夫でした）が定宿にしていた旅館です。
ですから私の中では、他とはちょっと違った、親しみを感じる名前なんです。

「楽しくやらせてもらっています。」
奥様の言葉です。
融通がきかないくらい真面目なご主人と、明るく親しみやすい接客をする奥様。
そして、それを優しく見守っていらっしゃるお母様。
温かい、お店です。

▲先月の８日にオープンしたばかりの、新しいお店です。昼１１：３０～１４：００で、３５００円のコースのみ。夜は、１７：００～２１：００で、５０００・８０００・１００００円となっています。日曜・休 どこもかしこも、新しい香りがします。まだオープンして一ヶ月です。店内には、お祝い胡蝶蘭の花が溢れています。改装は、和久傳をやった大工さんとか。綺麗なしつらえです。		▲初めに、食前酒が出されます。「ななお」の大吟醸は、とても飲みやすく、昼から幸せです！ 最初は、蕪と穴子の先付けです。私個人の好みですが、穏やかな酢の物が、最初に出てくるのは好きです。煎った胡麻が、とても香ばしく、焼かれた穴子もいい加減で、これも香ばしい！蕪と堀川牛蒡と盛られ、葛粉でとろみをつけた「吉野酢」がかかっています。穏やかな味付け、いいスタートです。		▲これも、美味しかった。スッポンの玉締めのお椀です。真ん中におろし生姜が入っていますので、かき混ぜていただきます。とろみのついている卵ものが好きです。今日の様に、寒い日にはぴったり。体も温まります。白木耳がアクセントになっています。綺麗でした。
▲お造りです。マグロ・昆布〆にしたヒラメと、野菜色々。茹でたうるい・山芋・茗荷・昆布２つ・山葵。これらをあい混ぜにしていただきます。割り醤油がかかっています。サラダ感覚でいただけます。		▲今度は、冷たいお料理が出されます。寄せ豆腐とかにです。これも作っておられます。奥様曰く、ご主人は、とにかく中途半端が許せない性格だとか。もうお豆腐屋さんをやったら、というくらい試作を繰り返した末の物です。そんなですから、言わずもがなです。振り柚子の香りが効いています。		▲少し前から、厨房から、ホイッパーの音が聞こえていました。何が出てくるのかしら？楽しみにしていました。これだったんですね。おろした蕪に合わせる卵白です。サワラの蕪蒸しは、私の今日の一押しです。銀餡のだしもおいしく、かげんも好きです。本当に美味しかった。
▲ごはんは、土鍋でお客様の人数に合わせて炊かれます。ご主人のお父様が、心を込めて作ったお米です。そして、一緒にいただくおじゃこは、奥様のお母様が炊いた物です。ここのお店がどんな感じだか、おわかりかと。		▲最後は、フルーツで、さっぱりと終わります。これで、３５００円は、相当にお得かと。今日も予約なしで、お二人の方がいらっしゃいましたが、お断りされていました。どうぞ皆様、予約の上ご来店を。次回は夜を、予約しました。		▲お土産に、開店祝いに配ったのでしょう。お菓子を頂戴しました。ホテルで見てみましたが、紅白の砂糖がけになった豆菓子でした。ただのお客の私に、ありがとうございました。