行ってきました

いつ行っても「祗園さ々木」さんは楽しいです。

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2006.05.11

京都市東山区大和大路四条下る4丁目小松町566-27
TEL:075-551-5000

変ですね、お料理屋さんに「楽しい」は。
「美味しい」が本来かと思いますが、ここはホントに楽しいのです。

食べる大好き、な私の様な人間は、好みを把握してくれているお店での「お任せ」が一番合っています。
そういう意味では、ここは、全てを任せて、ただ食べればいいだけのお店です。
「今日は何食べさせてもらえるのかなぁ~。」
毎回、そんな風に思います。
私は、そう思うだけで、ここに来るのが楽しいのです。

逆を言えば、客をそんな風に思わせられるお店が、いかに気を配っているか、という事です。 

「まずビールを」と言えば、好みの銘柄が出される。
お料理に合わせて、いつの間にかお酒が出てくる。
そして「お水を」と言えば、何も言わなくても、好みの物を出してくれる。

一体、このお店に何人のお客様が来る事でしょうか?
初めての方は無理にしても、それ以外のお客様に、この気配りが出来るお店、ありそうでなかなか無いものです。




▲先付けです。ここのお店は酢の物から始まります。今日は黄身酢からです。茹でて3つに切ったホワイトアスパラ・ミルガイ・そして上には、スナックエンドウです。これに黄身酢がかかっています。穏やかな味です。
以前どこかのお店で、なんとも言い難い黄身酢が出てきました。以来黄身酢を見ると、口に入れるまで、どうも安心出来ないようになってしまいました。こういうのって中々ぬけないものです。大人の私でさえそうなのです。だからこそ、子供にはきちんと、正しい物を食べさせたい、と思っています。
 


▲白蒸しです。もち米を蒸した上に、香ばしく焼けた太刀魚がのっています。太刀魚はこれからが旬です。楽しみな食材です。新生姜も出初めました。香りもいいし、歯ざわりもいいですよね。
 


▲お椀です。端午の節句をひっぱっている、との事で、表には鯉、裏には菖蒲の柄です。今一つ、わからないのは、お料理屋さんではありなのかな、こういうのは、という事です。私の実家は、仕事柄もあるのか、季節に関しては異常にうるさかったのです。季節は、先どりが当たり前。ですから家では、その日限りでスパです。もう終ってしまった節句をひっぱるなんていうのは、ありえないのです。着るものに関してはもっとすごい。例えば、藤の花の咲く頃に藤柄なんて野暮。咲く前に着る。咲き出したら、もう着ない。そんなです。だからよくわかりません。ま、菖蒲はこれからだからいいかなぁ...。それはさて置き、中にはあさりが沢山のしんじょです。ここのしんじょの固さ(柔らかさ)がとても好きです。上には、焙った干しこのこです。「先に食べないで、泳がせて香りを移してください。」と。



▲鰹のたたきです。今日も、お客様が来る時間に合わせて、藁で焼いたそうです。初鰹。口に入れた途端に、藁のやわらかな香りが拡がりました。今の時期だからこそです。普通「たたき」と言うと、表面を焙ってすぐ、氷水に入れて、急冷します。でも本場高知では、「たたき」は温かいのを食べる、と以前聞いた事があります。何年か前、子供が高知に旅行に行きました。そして、たたき作りの体験をしてきました。野外、藁の焚き火で、鰹を焙らせてくれて、試食。果敢な娘は、やらせてもらったそうですが、重くて大変だったそうです。でもこれをやりたくて仕方ありません。豪快で楽しそうでしょう?どなたか、ご一緒しませんか?
 


▲次のお造りの盛り合わせは、羅臼のウニ・トリガイ・マグロのお寿司です。ウニは、醤油をつけないで食べて欲しいとかで、今日は醤油で焚いた海苔と共に盛られています。この焚いた海苔の味が美味しくて、これだけでもいいくらいです。ウニの甘さが味わえます。トリガイには、生姜醤油かお塩が出されます。どちらでも、お好みでいただけばいいのですが、ここは、すだちをキュと絞り、塩でいただくのが◎です。お寿司のマグロは、北海道から帰ってきた勝浦の物です。本来なら築地行きだった物が、京都に入ってきたそうです。腹の部分はぜ~んぶ、買ったそうですから、これからいらっしゃる方、良かったですね。
 


▲焼き物は、稚鮎です。今日も汗だくになりながら、焼いてくれるご主人佐々木さんです。カウンターでこれを見るだけで楽しいです。魚の焼ける匂いはいいですね。こうばしい、いい香りが充満します。



▲はす芋の茎・うるい・花わさびが下にあります。上には、ボタン海老が。すだちの酸味のズルズルゼリーがかかっています。今日のは、ふぐで取ったおだしでのゼリーです。そう言われて香りをかいだのですが、でもわかりません。「鼻が馬鹿になっちゃったのかも。」そう言うと、「フグは脂が強くないからね。」と佐々木さん。そうか、匂いするのって脂ですものね。よかったぁ、納得。焼き物の後、さっぱりするでしょう、と出されました。
」と
 


▲あっつ~いいぃ!猫舌の私の毎回の苦労がこれです。熱い物は熱いうちに。そう思っても食べられない。いつも私には、取り皿が...。子供みたいです。今日は春の色。うすい豆を裏漉しした物が入っているので、綺麗な緑色です。1時間半蒸した鮑が入っています。これだけ大きいカットだと、存在感も食べ応えもあります。他に、新芽を摘んで作った、ほろっと苦味のあるよもぎ豆腐も入っています。料理は素材のバランスだなぁ、と感じます。
 


▲今回一番盛り上がったのはがこれです。お客さん全員で、「何のご飯か?」でしばし談義。皆であれやこれや。ようやく、焼いた魚の感じ、までは行き着いたのですが、さてなんやら。佐々木さんが2階から戻ってくるまでの間、大盛り上がりです。正解は、「ときしらず」でした。佐々木さん「頑張りました。」と。春に餌を求めて沿岸にやってきた鮭をそう呼びます。待たされた分、余計に美味しい!皆様お替りをすること、すること。

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