「ここは載せるのよそうかしら」とちょっと思ったもので、今日まで書かずにいました。隠れ家のようなお店なので、静かにそっとしておきたい。今でもそうは思っているのです。でもやっぱり、いいお店だからこそ、紹介することにしました。

ご覧の通り、看板も何もないごく普通のお宅のようなんです。知る人ぞ知るお店ですね。

予約が入った時のみ、営業されます。１月の平日のお昼。４人で貸切にしてくださいました。

ご主人様です。奥様とお２人で、こちらはなさっておられます。名店「なか田」で修業され、ご実家の国分寺の駅前のお店に。そして現在は、こちらに移転されました。実はご主人は、皇居に出向き、天皇陛下にお寿司を握った経験をお持ちです。宮中では、色々なしきたりがあり、それにのっとりお仕事をされるそうで、私達の知らないお話を伺うのも楽しいです。

先付けは、厚岸のしらこです。プリップリ！今朝まだ、生きていた鱈のだそうです。

千葉県　大原の大きなさざえは、つぼ焼きで登場です。

ねた箱には、この日使われる物が。毎朝２時に、築地に出向かれているのだそうです。

「おはし、手、どちらで召し上がりますか？」と聞かれました。「何故そんなことを？」伺うと、それにより握り方を変えておられるそうなんです。親指側を強く握るとか。そしてしゃりを少な目でという希望で握ったとしても、出来上がりの高さは皆、揃っていないといけないとか。

お寿司は、大間のヒラメから。

 

富津のたいら貝

 

大間揚がりの１２０㎏の鮪です。背ひれの真下部分の「ことろ」ここは、血管が全くない部分で、６貫くらいしか取れません。２週間半、寝かせています。香りのいい穏やかなお味です。

 

そして、渥美の小肌→北海道のぼたん海老→北海道のいくら→北海道　利尻の雲丹→羽田沖、江戸前の穴子と続きます。

ここからは、追加でいただいたものです。富津のさよりです。食べる方によって、前歯で食べるか、奥歯かと、食べ方の癖があり、それを見極め踏まえて、このように違う切り方で出したりするそうです。本当に驚くことばかりです。

この日、追加のお品書きにあったのは、まぐろ・のどぐろ・さより・墨いか・げそ。こうやって見ると、結構沢山、食べてますね。

美味しいだけでなく、とっても楽しい時間を過ごすことが出来ました。ご夫妻のお人柄も加わり、素敵ないいお店でした。