日々のこと

応挙と若冲

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2007.07.22

香川県の金刀比羅宮は、日本美術の宝庫、と言われています。
ここの表書院や奥書院の襖には、円山応挙や伊藤若冲の作品が数多く残されているからです。
通常は非公開のこれら。
実際私は、ここを訪れていますが、見ていません。
全く残念なことです。

上野に行ってきました。
現在、これら貴重な作品が、東京芸大美術館で開催されている「金刀比羅宮 書院の美」で見ることが出来るのです。
襖絵は本物を。
移動不可能な物は、キヤノンの最高技術を駆使したコピーで、その空間の雰囲気を再現しています。

この展示、展示の仕方がなかなかいいのです。
貴重な作品は、ほとんどの場合、ガラスケースに収められ、距離があるものです。
ところが今回、ガラスには収められていますが、実に至近距離で、じっくり見ることが可能です。
近いからこそ、応挙のテクニックのすごさを直に感じられました。

表書院「虎の間」の襖絵に描かれた虎達。
その毛並の描き方!
ふわふわで、ほわほわ。
抱きしめて、いじくりまわしたくなります。
虎だというのに、少しおデブで、愛らしいのです。
足がどうやら、違う。
しまった虎のもの、と言うより、赤ちゃんの足のようにめりはりが無く、ボテッと描かれています。
こんな処も可愛い、と思う要因なのかもしれません。
隅に書かれた白虎ちゃんが私はお気に入り。
このまま家に連れて帰りたいくらいです。
後で知りましたが、応挙は実際に虎を見たことがなかったとか。
毛皮と猫を見ながら、想像で描いたらしいのです。
あぁ、だからね!

若冲の「花丸図」にも、その観察眼に改めて驚かされました。

10時の開場を待ち、入場。
一度目は、人がいない内に、ざっと。
二度目は、じっくり。
そして、最後は、全体に印象を感じる為に、さらっと。
会場を3回、廻りました。

9月9日までやっているので、期間をあけて、もう一度行こう、と思っています。


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