日々のこと

京町屋を見学しました―②

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2009.09.15

かなり遅くなりましたが、続きです。
京都の町屋は、冬の寒さ対策ではなく、「夏、いかに涼しいか」を選択した、というところから。

結論を言えば、風の通りをよくしている、ということです。
家の表~奥まで、風の道を作っているのです。

ではその為に具体的には、どのような工夫がなされているのか?
ここの家の場合を例に。
間取りですが、道路側から順に、店・中庭①・座敷・中庭②・蔵と並んでいます。
この2つある庭がポイント1です。

中庭①は、南側の屋根を高くしてあり、あえてあまり明るくない温度の上がらない「暗」の庭を演出。
反対に、奥にある中庭②は、南側の屋根を低く作り、光が沢山当たり、温度が上がる「明」の庭を演出。
温度差を作るようにしているのです。

暑い日、家でも打ち水ってしませんか?
京町屋では、2つある庭のうち、打つのは片方のみです。
手前の①のみです。
水を打って、元々温度の低い場所をさらに下げる。
すると・・・
2つの庭は、ますます温度差が激しくなるわけですね。
このことで、空気が、①→②に流れるのです。

さらにもう一つは、間取り。
入ってみればすぐにわかります。
入口からまっすぐ、家の奥まで、通路が突き抜けているのです。
ここの部分に、座敷に上がる入口・台所が並んで配置されています。
一直線に長~く、遮るものが何もなく、空気が通るようになっています。

扇風機もクーラーもない時代です。
考えられていたんです。

現代は、家を建てるにも色々制限もあり、風の動きを無視?して建てざるえないことも。
一日中、除湿機を回す、なんていうマンションありますものね。
技術が発達しすぎて、間違った方向に進んでしまったとしか、思えないけれど。

自然の風のここちよさを、しばし、味わいました。


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