秋になると特に和菓子を買いたくなります。
段々と紅葉が進み、お菓子も秋の様相になっていきます。
綺麗です、今の時期のは。

私が育った青山の家は、敷地が和菓子屋さんと背合わせでした。
小さな頃、よくここの工場で遊びました。
そこの家では、お子さんは全員もう大きく、小さな私が珍しかったのでしょう。
とても可愛がってくれました。
ですから、よく遊びに行っていました。

仕事をしているおじちゃんの傍が、何より好きでした。
ずーっと、隣で、お菓子つくりを見ていました。
次々に綺麗なお菓子を作っていくおじちゃんは、かっこよく、私の憧れの人でした。
そして何より嬉しかったのは、「はい、早苗ちゃんの分」とあんこをくれる事。
作り方を教えてもらい、見よう見真似で練りきりを作りました。
黒いあんを白で包んだり、白あんを好きな色にしたり、包んだ物を好きな型に入れたり。
本当に楽しかったのを覚えています。

今、私がこんなに和菓子が好きなのは、間違いなく、ここでの体験からの物だと思うのです。